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巡る季節と受け継がれるモノ《前編》


ボクの「春」からあっという間に、季節は夏。

時間の過ぎるのは、本当に早いものである。
現に、20年前の精通が昨日のコトのように思い出せるのだから、これまた不思議なハナシだ。

この頃になると、クラスの大半がオナニーというものを知っていた。
いや、ボクがそう思う前から、実は皆すでに、そのステージに上がっていたのかもしれない。

何と言っても一人プレイである。

他言しようがしまいが、確認のしようは無いに近しい。
クラスの女子にスケベな男と思われないよう、健全な男を取繕ってたヤツもいるかもしれない。
はたまた、一昔前のボク(まだ数週間しか経ってないが)のように、その背徳感、
センチメンタリズムから少年の気持ちのままでいたかったクチか。

とにかく、ボクは仲の良い友人とは、気軽にオナニーの話をできる様になっていた。

今でこそ、ソノ為のオカズはとても身近にある。
しかし、当時はインターネットなど、まだまだ世の中には普及していなかった時代だ。

其の武器を手にしたヤツはこぞって自慢したがった。

やれ親父が大事に隠してる本やビデオを見つけたヤツ。
上級生から可愛がられ、ソノ為の武器まで世話してもらってるヤツ。
ボクと同じように、兄弟の禁を超えたヤツ。
其の武器を拾ったヤツ。

この頃、何故かは未だに分からないが…たまにそのような如何わしい本が道に落ちていた。
ボクも小学生の頃から幾度か、道端で其のモノとの出会いは経験していた。

隣町の自販機で買ったモノか、恋人や親に怒られ、泣く泣く決別したモノかは、分からない。

其れを拾って再利用、リサイクルリサイタルをしていたヤツもいたのだ。
なんとも賢いとゆーか、無駄がない。
いや、実際は子孫を残す為べきモノの、無駄射ちをしているのだが…

中学生の考えるコトなど、矛盾とへ理屈、説明したくても言語と世界観がついてこない。

前項にも記したが、まだまだ発展途上の世の中だった。
コンビニが車で5分もかかる田舎町に住んでいたボクらにとって、
其の武器の入手ルートは、限られていた。
(夜の22時に閉まってしまうその店を、はたして今もコンビニと呼んでいいのだろうか?)

中学生に町の書店(22時閉店のコンビニではなく)でアダルトな本を買う大胆さは、当時のボクらにはなかった。

観光名所ともて囃され、多少のプライドを自負していても、狭い小さな田舎町だ。
まず、書店が少ない。必ずといっていいほど、顔見知りがいるものだ。
きっとそこから、話は巡り巡って、、、本一冊が、見知らぬ老人との初めての会話の糸口になってしまうやもしれない。


優しい大人はいたものだ。いや、少年時代に同じような経験をした大人がそうしたのか。。。


ボクラの住んでいた町から車で20分程走った所に、、、


…其の自動販売機は、あったのだ。



つづく


>>「第5話 試行錯誤の性春」

>>「第7話 巡る季節と受け継がれるモノ《中編》」


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